韓国の李明博(イミョンバク)大統領は22日、テレビを通し、2月の就任後初めて国民向け談話を発表し、わずか3カ月で支持率が30%を割るまでに急落した自らの国政運営について「足りなかった点はすべて私のせい」などと極度の低姿勢で謝った。
今後は「心機一転して」経済活性化と雇用創出に尽力すると約束したが、国民世論の速やかな好転は期待しにくい状況だ。
昨年末の選挙で圧勝し2月25日に就任した李大統領は「低姿勢で国民に仕える政治」を旗印に掲げた。
ところが最初から、閣僚や青瓦台(大統領官邸)秘書官に指名した顔ぶれが富裕層ばかりだったうえ、土地投機疑惑も浮上し、世論の反発を受けて指名辞退や就任後の辞任が続いた。
さらに、トップダウン型指導力に伴う強引さや、与党ハンナラ党の朴槿恵(パククンヘ)前代表との和解不調などから、「民心を読めない」「狭量」といった見方が広がった。
財界出身者として期待された経済面では、国際的な要因による物価高騰や景気低迷が逆風となっている。
最近の大誤算は米国産牛肉の輸入再開問題だ。ブッシュ米大統領との首脳会談(4月19日)直前に合意したが、「キャンプ・デービッド(米大統領山荘)の宿泊料か」などと国内世論の不評を招いた。
牛海綿状脳症(BSE)の恐怖を募らせたテレビ番組もきっかけとなり、5月初め以降、大規模な抗議集会が相次いでいる。
こうした流れの中で、就任当初70%前後あった支持率は30%を割り込んだ。
任期末ギリギリの国会では、盧武鉉(ノムヒョン)政権与党の流れを引く統合民主党がまだ多数派である強みを発揮し、米韓自由貿易協定(FTA)批准を拒否している。
青瓦台からの生中継で、李大統領は深く頭を下げ、こわ張った表情で談話文を発表。特に牛肉問題について「国民の十分な理解を求め、意見を集める努力が足りなかった」と非を認めた。
一方で、米国産牛肉の安全は確保されると説明、米韓FTAの国会批准を「丁重にお願い申し上げる」と述べた。
親米路線を掲げる李大統領だが、反米感情の強い国内世論と政策遂行の間で早くも難局に直面している。
◇李明博大統領をめぐる主な動き
2・25 李大統領就任式。日韓首脳会談
27 閣僚候補2人が指名辞退
3・23 朴槿恵ハンナラ党前代表が総選挙での自派議員の公認外しで「私も国民もだまされた」と怒る
4・1 北朝鮮が李大統領を初めて名指し非難。以後、非難続く
9 総選挙。圧勝を見込んだハンナラ党は過半数+3議席だけ
18 米韓両政府、米国産牛肉に対する韓国の輸入制限緩和で合意
19 訪米中の李大統領がブッシュ大統領と会談
21 東京で日韓首脳会談
5・9 ソウルで米国産牛肉輸入に反対する3万人超の抗議集会
22 李大統領が初の国民向け談話
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