ミャンマー軍政、救援物資を差し押さえ
・ 国連は支援停止
ミャンマーに未曽有の被害をもたらした大型サイクロンの直撃から9日で1週間。
世界食糧計画(WFP)は同日夜、読売新聞に対し、同国のタン・シュエ軍事政権が、初の救援物資を積んでミャンマーに到着した輸送機4機のうち2機の荷降ろしを許可しなかったことを明らかにし、当面、支援を停止する方針を示した。
軍の政治的役割を保証する新憲法案の是非を問う国民投票を10日に控えた軍政が、国外からの人的支援を拒み続ける中、一層の被害拡大が予想される。
WFPによると、8日から9日にかけ、イタリアなどから飛んだ4機が、ビスケットなど食料計77トンの物資をヤンゴン国際空港に運んだ。
物資の一部は最大被災地・エヤワディ管区のラブッタに到着し、被災者への配布が始まったが、軍政は、9日に到着した2機については、荷降ろしを認めず、事実上、差し押さえ状態に置いたという。
軍政は理由を示していないとされるが、独自搬送にこだわるWFP側に不信感を抱いた可能性もある。
軍政が国営放送を通じて発表した8日夜現在の被害状況は、死者2万2997人、行方不明者4万2119人。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告では、被災者は150万人ともされ、エヤワディ管区で千葉県の面積にほぼ等しい約5000平方キロ・メートルが水没。
住居を失った被災者が、食糧や飲料水を十分得られない状態に陥っている。
軍政が国連の救援物資を国外から受け入れたのは、今回が初めて。
国連などによると、今回のような大規模災害の支援には、救援要員だけで数百人、このほか数万人規模の人的支援が必要だが、これまで入国を認められたのは国連の救援要員3人のみで、40人がタイの首都バンコクで待機を余儀なくされている。
国連や赤十字の現地要員は計1万人前後いるが、被災地での活動は限定的だ。
軍政は、9日付国営紙で「救援物資の受け入れを優先させており、外国の救援スタッフやメディアを受け入れる用意はできていない」との声明を発表し、独力で救援活動を進める姿勢を強調。
物資運搬などに必要なフォークリフトや発電機などの国外からの受け入れも認めていない。
被害拡大の背景には、3・6メートルの高波が脆弱(ぜいじゃく)なインフラを襲ったことに加え、軍政も国民も自然災害に対する備えができておらず、復旧活動のノウハウも不足していることがある
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